生成AIをキャリア相談に利用する人の実態について調査した結果が公開されました。利用経験者は全体の約8%と少数派でしたが、相談した人の多くが「人と同等か、それ以上に相談しやすい」と感じていることが分かりました。

生成AIは、質問に対して会話形式で回答を返す仕組みを持っています。そのため、転職や働き方、人間関係といった幅広いテーマについて相談できます。また、時間や場所を選ばず利用できるため、思いついたタイミングで考えを整理できる点も特徴です。
調査では、「気を使わずに相談できる」「否定される不安が少ない」といった理由から、AIを相談しやすいと感じる人が多く見られました。人に話しにくい悩みでも、AIであれば心理的な負担が小さいと考える人がいるようです。

ITの視点では、生成AIは単に情報を検索しているわけではありません。大規模言語モデル※1と呼ばれる技術によって、質問内容を理解しながら自然な文章を生成しています。そのため、単なるQ&Aツールよりも対話相手に近い体験を提供できます。
ただし、AIは利用者の状況を完全に理解しているわけではありません。回答は学習データをもとに生成された提案であり、必ずしも個人に最適な助言とは限りません。また、相談者の表情や感情の変化を正確に把握することもできません。
例えば、今後のキャリアに不安を感じている場合、AIに相談することで選択肢を整理したり、考慮すべき観点を知ったりすることはできます。しかし、人生設計や家族との関係など、個別事情を踏まえた最終判断は人間が行う必要があります。
今回のニュースは、AIが人間の相談相手を置き換えるというよりも、新たな相談手段として利用され始めていることを示しています。IT業界に携わるわたしたちは、AIを判断の代行者ではなく、思考整理を支援するツールとして活用することが重要です。

※1 大規模言語モデル:大量の文章データを学習し、人間らしい文章を生成するAI技術