あなたが現在見ているのは 違和感は失敗か、可能性か

違和感は失敗か、可能性か

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先日、とある広告のデザインがSNSで話題になっていました。レイアウトも余白も、いわゆる“セオリー”から少し外れていて、デザインに慣れている人ほど「作業途中に見える」「中途半端では?」という声を上げていました。私自身も、最初に見たときは「いいデザイン」というより、「なにこれ?」というのが正直な感想でした。

整っていること、理論に沿っていること、完成度が高いこと。そうした基準で見ると、違和感が先に立ってしまう。でも同時に、「それでも世の中に出ている」という事実も気になります。誰かがOKを出し、誰かには届いている。

思い出したのは、かつての印象派の画家たちです。今では名作とされる作品も、当時は「未完成」「雑だ」と批判されていました。評価の軸は、時代や見る側の立場によって変わるものなのかもしれません。

美大の卒展でも、90年代アニメ風のキャラクターを油絵で描いた作品を見かけることがあります。正直、私はその良さをうまく説明できません。でも、その前で立ち止まり、熱心に写真を撮っている人がいるのも事実です。刺さる層が確実に存在している。

「わからない=よくない」と切り捨てるのは簡単です。でも、わからないものに出会ったときこそ、自分の基準がどこにあるのかを問い直すきっかけになるのかもしれません。デザインに正解があるとすれば、それは“万人に理解されること”ではなく、“誰かに強く届くこと”なのではないか。そう考えると、違和感もまた、価値の芽なのかもしれないと思えてきます。