企業ごとの業務を覚え、チャットからの指示に応じて仕事を進める「常駐型AI」のサービスが登場しました。請求書作成やメール文面、議事録、調査、日程調整などを任せられる仕組みで、提供企業によると、自社で36業務に活用し、月147.7時間の作業時間を削減したとしています。

ポイントは、生成AIに質問して回答を得るだけではなく、ほかの業務システムと連携して作業まで進める点です。このように、目的に応じて複数の処理を実行する仕組みはAIエージェント※1とも呼ばれます。例えば「請求書を作って」とチャットで依頼すると、必要な情報をもとに会計ソフトと連携し、請求書や送付用の文章を準備するといった流れです。
また、このサービスでは企業内に設置した小型コンピュータを利用し、業務データを社内側に置いたまま運用する仕組みが採用されています。ただし、AIを社内で動かせば自動的に安全になるわけではありません。アクセス権限※2の設定や、AIがどの情報を利用できるのかを決めることも重要です。

例えば、毎月行う請求業務では、担当者が顧客情報を確認し、会計システムへ入力して請求書を作り、さらにメールを作成する作業があります。この一連のワークフロー※3をAIに任せ、人は金額や送付先など重要な部分だけを確認する形にすれば、定型作業を減らせる可能性があります。
一方、記事で紹介された削減効果は提供企業自身の事例であり、同じ効果がすべての企業で得られるとは限りません。業務内容やシステム環境によって適した自動化の範囲は異なります。
IT業界に携わるわたしたちは、AIに仕事を丸ごと任せるのではなく、まず業務を細かく分け、「どこまでAIに任せ、どこを人が確認するか」を整理することが大切です。

※1 AIエージェント:目的に応じて情報を判断し、複数の作業を実行するAIの仕組み。
※2 アクセス権限:システムやデータを誰がどこまで利用できるかを決める設定。
※3 ワークフロー:業務を進める一連の流れや手順。